Home > Tags > 純喫茶

純喫茶

再生

Rollei 35 / S-Xenar 40mm F3.5 (HP5 PLUS)

【北千住 ティーサロンみゆき】
残念ながら閉店するという話を見て、その前も1、2回行っていたが、閉店直前に改めて訪れた。ここはマニアの中でもかなり評価が高い純喫茶で、ググればその素晴らしい内装は幾らでもでてくると思う。
他に客が誰もいなかったので、マスターに当時の建築士のことや、内装について変わったところ変わっていないところ、その他客層の変化などなど、昔話を色々していただいた。千代田線の北千住駅開業とほぼ同時ということだから40年以上前の話だ。
閉店後は全部取り壊すという話だったので、捨てるならください、とお願いしてテーブルとイスを貰えることになっていたのだが、その後居抜きのカフェバーになるということで改めてお邪魔し、それなら仕方ないので、と伝え、(本当は欲しかったけど)潔くその話は引いてきた。無くなるよりはましだから、居抜き後の店にも頑張って欲しい…と思っていたが、その後まだ居抜きカフェバーにはちょっとどうなったのかいろいろな意味で怖くて行けていない。

【Tweet】

震災(10)

SIGMA DP2x

Jヴィレッジからはまた海岸沿いの道を南下した。いわき市の小名浜に風俗街があり、そのへんも被災した、という記事をみたことがあったので様子を見に行ってみた。建物は幾つかブルーシートに覆われたものもあったがそれほど壊滅的な様子はなく、呼び込みの兄ちゃんと話した限りは床上程度だったとのことだ。お店を利用する気がさらさら無いのにそういう雑談に応じてくれて有り難い限りだが、その呼び込みの兄ちゃんの店からホクホク顔のオッサンが出てきて店先で目が合ってしまったのは申し訳なく思った。流石にカメラを気にするであろう土地なので写真は少しだけにしておいた。

この旅の最後はいわき市にしていた(レンタカーの乗り捨て返却をいわきにした)ので車を返し、駅前をぶらついていると「coffee ウィンザー」という純喫茶を見つけたので入店した。マダムはコーヒー、トーストにくわえカボチャの煮物をサービスで出してくれた。こういうコーヒーに全く合わない心意気が嬉しい。
いわき市中心あたりは津波の水自体は来ていないが、そもそも地震の被害が大きく、ぼくが散策した限りでも全半壊した状態の建物も少なくない。この喫茶店の建物もよく持ちこたえたというところだ。マダムいわく近所のビルではガス漏れして火災が起きたりもしたとのことだ。地震のあともしばらくは水がでなくなったことと放射性物質の対策(といってもマスクとかその程度のようだが)などで数ヶ月は大変だったようだ。そして現在は風評の影響も含め、やはり人は減っているとのこと。「せめて『福島第一』じゃなくて『双葉第一』だったらまだイメージ違ったんでしょうけどねえ」とマダムは言う。そういう面も確かにある気がする。直線距離で言えばたとえば会津若松や只見のほうだったら仙台市とあまり変わらないのではないだろうか。そうしたただのラベルだけで物事を判断するのではなく、本質を見極める努力をすることを忘れないようにしなければと感じた。

そうした最近の話から、昔の喫茶店が儲かって仕方が無かった頃のこと(そういう時代もあったそうで、コーヒー立ち飲み客までいたそう)まで色々な話を聞いている中で、「今日は楽しかったから日記に書きます」とマダムは言った。ぼくもすかさず「ぼくもブログに書きますよ。あと写真も」と返した。

【Tweet】

表現

Leica MP / Summar 5cm F2.0 (HP5 PLUS)

【東長崎 喫茶Neggyのマスター】

散歩しているときにたまたま見つけて、他に何店か喫茶店があったが唯一客が一人もいなかったので入った。先代から引き継いで、一部はそのままに、一部は改装したりという感じで、ぼくのようにクソボロだったり不潔な店でも全然平気、というわけではない人にもおすすめできる、ほどよいレトロ感と清潔感がある店だった(でも個人的にはもっとボロいほうが嬉しい)。
油絵が飾ってあったので、マスターが描いてるのですかと問うと、たまに自然の多いところに出かけては描くという話で、1日で完成しない場合が殆どだと思うがそういうときはどうしてるのかとか、油絵ならではの立体感の付け方はどうしてるのかとか、そんな油絵と写真の特性の違いなどについて少し談義をした。ひとつのシーンをわずか250分の1秒で切り取る写真と、数日〜数週間もかけて完成させる油絵とは何もかもが違う。

ぼくは絵のことはよくわからないし、もっというと音楽や芝居や映画、漫画など芸術全般についてそれほど偉そうに語る素養を持ち合わせてはいない。写真だって勿論ちゃんと勉強をしたことはない。ただ、芸術一般においては、自身への入力の乏しい人は、質の高い出力ができない、ということは特別な才能でも無ければほぼ間違いないと思っている。とくに写真のように手軽に誰でも練習も基礎もなしにできる表現手段ではそんな罠に陥りがちだ。いい写真を撮る人は、いい写真を沢山見ている。小説なども、結局文字が書ければ取り敢えずのモノができてしまうので、実は自分は全然小説を読まないのに書きたがる人ばかり多い、という話も学生時分によく教授が言っていた気がする。そういう自戒を念頭に置いて、なんでも雑食に、貪欲に自分への入力にすること、それを効率よく消化吸収すること、そして排泄というか出力の質を高めることを意識している。つまるところ好き嫌いせずに食べて、適度に運動をして、ちゃんとうんちをしましょうということである。実にシンプルだ。また好き嫌いをしないというのは、嫌いなモノを無理矢理食べるのではなく、そこにある本当に味わうべき味のポイントを理解し、好きになるところにある。ぼくは「好き」の幅が残念ながら狭いので、ここが当面の課題である。

店はカウンターしかなかったが、その席のうしろの棚には電源の入りっぱなしなノートPCと、入門マニュアルのようなものが開きかけて置いてあった。客がいないときはいろいろといじっているのだろう。こうやって新しいものを吸収しようと努力している人は素直に尊敬する。ぼくはどうやってもモバゲーにもグリーにも興味が持てないもの。

—————-

…というわけで、もともと趣味の散歩と喫茶店・レトロ系飲食店巡りから、タイミングと流れによってはそこのマスターやマダムを撮らせてもらったりしている。お店の紹介系ブログは多々あって日々本当にありがたく情報を利用させていただいているが、ぼくは弊ブログにおいてはよそより濃いめに紹介できるところに絞って紹介してみたりしたい。
(もっとも、回っている店の数もストックとしては多いので、いずれ別ブログで紹介できればなあとも思っている)

【Tweet】

魔性

Rollei 35 / S-Xenar 40mm F3.5 (FP4 PLUS)

写真を趣味にすると、出かけたくなるので必然的に旅行や散歩も好きになる。その道中で出会う店も個性のある店が気に入るようになり、古い定食屋や喫茶店などが好きになる。こうして趣味の幅が広がっているというべきか深まっていくというべきか、いずれにせよ相性の良い趣味のクラスタとでもいうものがある。
そんなわけでここ数年は個人喫茶店を人並み以上には回っているつもりであり、またたまに紹介もしていきたいと思っている。とはいえ数や更新ペースや情報量で言えば沢山その手のすばらしいブログがあるので、あくまでマイペースに。行った喫茶店の記録はiPhoneで撮っているが、ちゃんとしたほうのカメラで写真を撮れる機会は意外と少ない。

この店は南千住にある、『魔性の味 オンリー』という喫茶店。合羽橋や千束というか吉原のあたりにも同じ名前の店があるが、チェーン店というにはそれぞれ良い意味で個性がきつすぎる気もする。窓のみならず天井のカドまで丸くとっていたり、適度にポップかつ落ち着いた色合い(弊ブログはモノクロのみなので、気になる人はググってください…)の内装はとてもかっこいい。買ったばかりのローライ35をぶらさげていたらマスターが気付いてカメラネタを振ってきてくれたのでその流れで何枚か撮らせてもらったのだが、露出をミスって完全に真っ黒だったのが残念だ。そんな中、いちおうなんとか一枚だけ写ってた。

【Tweet】

惜情

iPhone 3GS

インド旅行記はいっかい休み。

先月の末、ある喫茶店が閉店した。
普段、カメラをぶら下げて趣味で都内のあちこちを歩き回ったりしているのだが、このブログこのブログあたりの影響でよく個性的な喫茶店や洋食屋を散歩の目的地に設定するようにしている。漫然と歩くより、一層楽しみができる。

そんなわけで特に理由は無いが、ある休日、押上に行った。意識してこの駅に降りたのは初めてだった。作りかけの東京スカイツリーを見上げると、周囲に高い建物が無いこともあり、まだ5分の1程度の高さであるにも関わらずそれは圧倒的な存在感を放っていた。そして同時に、その足元にある小さな個人商店や古いビルは軒並みそこから去る準備をしているように見えた。街が生まれかわり、またデベロッパーが手がけたような大しておもしろくもない、どこかで見かけたような風景が数年後にはここに広がっているのだろう。逆に言うと、今のこの街はまだ独特な雰囲気が残っていて興味深く感じられた。
一般的に喫茶店は駅の周辺にある場合が多い。まずはざっとキーコーヒーやチモトの看板などが無いか見回すのが恒例である。予想通り、汚いビルの2階に珈琲の文字が見えた。しかし、この手の店は休日に営業していなかったり(平日のサラリーマンの昼飯を提供さえしていればやっていける店も少なくないのだ)、実はそもそも既に潰れてしまっていたりすることもあり、一応閉まっていても様子をうかがうことだけはする。シャッターは予想通り閉まっていたが、よく見ると10月末で閉店する主旨の張り紙がそこにはあった。つまりまだ閉店していない。以降、なんとなく気にかけながら日々を過ごした。

10月30日、あの店の閉店の日、仕事を早く終わらせることができたので、家とは逆方向の電車に乗り、押上までやってきた。押上に住んでいるという人を知っている人にわざわざあの喫茶店がいつ営業しているのかを聞いてもらったりした。結局あの手の店にありがちな「いつやってるかよくわからない」(もちろんネットにもちゃんとした情報が無かったりする)ということだったので少々不安ではあったが、店の窓から灯りが漏れているのを見てひとまず安堵することができた。
店の中は最終日だからか、恐らくいつもには無いであろう賑わい(ぼく自身初めての店だが)を見せていた。感じの良いマダムが、食べ物はもうできないと言うので、本当はメニューにある「のりトースト」が気になったが珈琲だけを注文した。珈琲はシグリというあまり聞かない銘柄のものを頼んでみたが、これは大変に旨かった。
色々な人がこの店の最後を惜しむように訪れ、マダムに話をしていた。そんな中で最初で最後の来店となったぼくもまた惜しむ気持ちに変わりはなかった。マダムは、ぼくに「ハトリさんだっけ?」と言ってきた。そんな人は知らないが…と最初で最後の来店を果たした経緯を話した。マダムはわざわざありがとうね、と言ってくれた。そして、長居したくて飲んだ2杯分のシグリの代金を払おうとすると、他の一部の人にしていたように、店で使っていたカップや珈琲の保存缶などを形見分けに持たせてくれた。ぼくは普段手ぶらで通勤しているので鞄などが無い、というと、わざわざ袋まで用意してくれた。
帰り際、一見さんのぼくにこんなにしてくれて申し訳ないです、と言うと、マダムはこれも何かの縁だから、と言った。であるならば、縁は与えられるだけではなく、今日のぼくのように自分でつかんでいく場合もときには必要だな、といつもより余計に時間のかかる帰路の途中に強く思った。

お土産ついでにもうひとつ、とお願いしたのがこの写真だ。手ぶら通勤のぼくがカメラなど持ち合わせるはずもないので、弊サイトはじめてのデジタル写真(別にそういう縛りをしているつもりはないが)、ということになる。こんな何も考えてない撮り方だけど、思いだけは込めてますよ。

【Tweet】

Home > Tags > 純喫茶

Search
Feeds
Meta

Return to page top